うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
本当はこんなこと言いたくない。ずっと廉二郎さんのそばにいたい。

でも彼が好きだからこそ、自分の判断は間違いじゃないと信じたい。

「初めて好きになった人が廉二郎さんで、私はとても幸せでした。廉二郎さんとの結婚生活を何度も思い描いてしまうほどに。……一緒に過ごした時間は一生の宝物です」

強がって笑顔で伝えるものの、声が震えてしまう。

「ですから廉二郎さん、どうか援助を受けて会社を立て直してくださっ……」

最後まで言い切れず、涙が零れ落ちる。その瞬間、廉二郎さんは私の身体を抱きしめた。

苦しいほど、きつく、きつく……。

彼のぬくもりに包まれ、涙が止まらなくなる。

本当はこのぬくもりから離れたくない。ずっとそばにいたい。でも今のままでは自分も廉二郎さんも幸せになれない。そう思ったからこそ決めたこと。

これでいいんだ、私は間違っていない。……だから最後にこのぬくもりを、全身で感じてもいいよね。
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