美魔王さまと結婚したなら

「おはよう、夏美。今日の気分はどう?」

事務所に行くと、今日は朝からさっちゃんが居た。


「おはよう、さっちゃん。まだ朝だし眠気も無くてすこぶる快調!でも休めって明さんが言うから、ここに来るの大変だったんだよ?」

笑いながら言えば、さっちゃんは仕方ないというような顔をして言った。


「私たちは変われないし、夏美の体調は本人しか分からないんだもの。心配はするわ、子どもが無事に産まれるまでは諦めるしかないわね」


苦笑混じりの言葉には、私も頷いて答えた。
だって、一気に二人の子がお腹に居るとあっては仕方ないよね。

でも楽天的なのかな?
私はそこまで不安じゃない。
それは、明さんやさっちゃん、いっちゃんやレンちゃんが居るし、事務所には子育ての大先輩で、先日初孫も出来た智子さんも居るからかもしれない。

私は人にも環境にも恵まれているのだ。


「ね、みんながあなた達のこと待ってるの。とっても幸せね!」


そんな風に自分のお腹を擦りながら声を掛ける私を、智子さんもさっちゃんも、明さんも優しく見守ってくれるのだった。
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