無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
接客とは
「皆さん、おはようございます。こちらが本日から当支店に配属されました羽生駿太郎さんです。指導は私、伊藤が担当させていただきます」

「羽生駿太郎です。インテリアデザインの企画部から来ました。スポーツの知識はほとんどないので、ご迷惑をおかけするかと思いますが、伊藤チーフのもと勉強していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします」

相変わらずの無表情で頭を下げると、フロアのスタッフから拍手が起こった。

店長と副店長は本社での会議のため不在。今いるのは、社員3名とパートが3名、彩月と駿太郎の8名だ。

社員は、去年入社の竹橋雅功23歳(登山、アウトドア担当)、一昨年入社の長谷川沙知絵24歳(水泳、テニス、バドミントン担当)、そして、彩月と駿太郎の同期入社である松山照之25歳(ゴルフ、サッカー担当)だ。

その他のスポーツは、正社員全員で対応にあたる。担当の競技に関しては、一時間~二時間程度の教室を、無理のない程度に企画することを任されているといった。

パートは、30~50代の女性3名。主に商品整理と補充、レジを担当するそうだ。わからないことは、正社員が対応する決まりらしい。

「それでは、持ち場に分かれて、今日も一日頑張りましょう」

「おー!」

彩月が拳を挙げると、スタッフも合わせて拳を挙げて言った。この体育会系のノリについていけるか、駿太郎が不安になったのは言うまでもない。
< 9 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop