一途な御曹司に愛されすぎてます
偶然と運命
 次の日の朝、寝起き直後のぼんやりした目に見慣れない豪華なベッドルームの様子が飛び込んできて、一気に眠気が吹っ飛んだ。


 一瞬パニックになったけれど、すぐに昨日の一連の出来事を思い出して胸を撫で下ろす。

 夢みたいな出来事が現実に起こって、こうして目が覚めてもまだそれは続いているんだ。


 いろんな意味で脱力した息を吐きながら身を起こして、ベッド脇の時計を見たら、八時をとっくに回っていた。

 昨日はいろいろなことがありすぎて疲れていたし、豪華な天蓋付きベッドに緊張してなかなか寝付けなかったせいで寝坊してしまったようだ。

 モーニングコールをお願いすればよかったな。


 洗顔を済ませ、しばらく考えた末に朝食はルームサービスを利用することにした。

 きちんと身支度を整えてレストランに行くより、ゆっくりしたい。

 夕べ専務さんがルームサービスを勧めてくれたことだし。

 きっと彼は私の体調を考えてああ言ってくれたんだろうから、せっかくの気配りを無にしたくない。

 それに実を言うとホテルのルームサービスって一度も利用したことがないので、体験してみたかった。
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