嫌いな君を好きになる……
「桜ーーー?
桜…………」



「ごめんなさい、ずっと逃げててごめんね。


私怖かったの。

私、もう……風龍には戻りません。


だから、もう諦めて!」


私は、風龍にはもう戻らない。


「桜、俺は……あの日お前にひどいことした。

ごめん。だけど………諦められーんだよ」



彼が走ってくる。


逃げようと思えば逃げられるのに………


動けない。


「桜!!」


天くんの声が聞こえた。


同時に感じる温もり。


君が抱き締めたーーー

私は、君の腕の中にいた。


< 75 / 216 >

この作品をシェア

pagetop