白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】


「やっだー。ママ、私はまだ結婚なんて考えてないよ。」

ダイニングテーブルの上に無造作に置いてあった、綺麗な台紙がいかにもの見合い写真。

「法子のじゃないわよ。ゆう君のよ。」

「ゆう・・・君の・・・?」

「ほら、この前、望さんがお土産を持って来てくれたじゃない?その時、ゆう君がね、お付き合いしている人は時々いるみたいなんだけど、長続きしなくて、結婚まで話が進まないらしい、て言うのよ。それで、いいお話があれば声をかけて、て言われたのよ。」

残業でいつもより遅く帰って来た、私の為に夕御飯を用意しながら話すママ。
そういえば、最近、高級チョコレートが冷蔵庫に入っていた事を思い出す。
あれ、望さんのお土産だったのか。

「そしたら、パパが、早速、会社からお写真を持ってきてくれたのよ。お相手はね、パパの同僚のお知り合いなんですって。」

中を見れば、着物を来た綺麗な女の人が、立ち姿も美しい写真と、カジュアルな服装の2枚のスナップ写真、そして、白い封筒。
封筒の中身は、お決まりの釣書なんだろうなあ。
流石にそれを見るのは、気が引けるから見ないけど。
興味はある。
どんな女性だろう・・・。

「はい、召し上がれ!・・・だからね、明日、ゆう君を家に呼んだのよ。それ、渡そうと思って。法子、明日の土曜で休みでしょ?よかったじゃない、久しぶりにゆう君と会えるね!」

会えるのは嬉しいけど、内容がこれじゃ・・・。





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