「……全部脱がせていい?」

 欲望で濡れた目で見つめられて、小春は拒めなかった。

 彼が、自分が着ているシャツを脱がせるのに身を任せてしまった。
 いや、拒めないという消極的な言い訳はよそう。ひそかに素敵だなと思っていた人に求められて、小春は嬉しかったのだ。

 いつも機嫌がよさそうに微笑みを浮かべている彼の、普段とは違った男の一面を知って、そのギャップに胸がときめいて仕方なかった。
 こんな状況で流されるように体を重ねてしまったら、困るのは自分なのに、拒めなかった。

 百八十五センチを超える長身の彼にソファーに押し倒され、小春はドキドキしながらも、気持ちを押さえられず、彼の首に腕を回し引き寄せる。小春は自分より三十センチも高い、彼の顔を近くで見たかったのだ。

「小春……」

 少しかすれた声がセクシーで、胸がギュッと締め付けられる。

 彼の少し明るい色の瞳が、しっとりと濡れて小春を見つめ、近付く。目を伏せると同時に、唇が重なった。
 彼の饒舌な唇が、自分の唇をむさぼる。かすかにアルコールの香りがして、そのまま口の中に熱い舌がねじこまれる。シャツがはぎとられて、下着姿になったが、恥ずかしいと思う気持ちはもう消えていた。

(後悔なんかしない……私、この夜のこと、絶対に忘れないわ……)