"鬼"上司と仮想現実の恋
出勤して、今日の準備をする。

まだまだ半人前だけど、1人で営業に出る事には慣れてきた。

もともとSEだから、お客さんの話を聞いているだけで、作りたいシステムの設計が頭の中に浮かんでくる。

出来る事、出来ない事、必要なデータ、おおよそ の 納期など、社に戻ってSEに相談しなくても答えられるのは、私の強みだと思う。

納品後のちょっとした修正もその場で自分でしてしまえるのも、便利だ。

だけど、営業として出来る事が増え、売上を上げられる様になると、新人としてはあり得ない売上目標を設定された。

悠貴さんに!

名古屋で"鬼"って呼ばれてた意味が、ようやく分かってきた。

プライベートでは、とっても優しい悠貴さんだけど、仕事では容赦ない。

ベテランの営業さん達は、きっと私以上に"鬼"だと思ってるに違いない。

だって、プライベートで優しくされた事がないんだから。
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