艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
さあ恋をはじめましょう
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公の場で葛城さんの婚約者をほのめかした日からもうじき一か月が経とうというのに……父からまったく音沙汰がないのが不気味だった。


何か言って来たとしても、結局口論になりそうな気がしていたし、私から連絡することは葛城さんに止められていた。


ただ、祖母からは連絡がありこの結婚を政略的なものだと知ってか知らずかとても喜んでいたから、まだ父の耳に入っていない、ということはあり得ないと思う。


「望月さん、お客様がいらしてますよ」

「はい?」


定時を迎えようという頃、そう声をかけてきたのは私の退職後の人員として派遣販売員の年配の女性だ。


お客様、というからてっきりお茶を買いに来た『お客様』で、どうして自分で接客せずに私を呼んだのか首を傾げながら振り向いた。


「かっ……!」

「お疲れ様。ごめんね、もうじき定時かなと思って寄ってしまったんだけど」


そこにはスーツ姿の葛城さんが、他メーカーの販売員や通りすがりのお客様の視線を集めて立っていた。どうしてこう、この人は目立つんだろう。


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