みんとキャンディ
キミが好き
「高月先輩」



数日後。



いつもと変わらない放課後に、




いつものように帰り支度を整えた聖梨を、



見知らぬ女の子が呼び止めた。



自分を先輩と呼ぶ辺りから、



一年生であることはわかる。




聖梨を呼んだ彼女は、軽く会釈をしてみせた。



隣に居た優季と顔を見合わせ、



首を傾げる聖梨に、



「わたし、サッカー部マネージャーの中屋 瑞香って言います」



自己紹介する瑞香。



サッカー部という言葉で、聖梨は瑞香の目的を察する。




瑞香が自分をわざわざ呼び止めた目的。



「唐突に言います。雄楽に近付くの、やめてもらえませんか?」



案の定出された雄楽の名前。



しかし、



何故こんなことを言われるのかが聖梨にはさっぱりわからない。



真剣な顔で聖梨を見据える瑞香に、



聖梨は腹立たしげに眉を顰めた。



「いきなりそんなこと言うのは失礼なんじゃない?」




ぐっと唇を結んだ聖梨に代わって、



隣から優季が反論をする。



優季の言葉に、



わかってます



答えた瑞香は、



拳を握り締めていた。
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