かおるこ連絡ノート
ハンチョウ
「ハンチョウ~神南署安積班~」最終回。
波岡さんは韓国人の連続殺人鬼イ・ジョンテ役でした。

いやー、全編韓国語なのにこの違和感のなさ!
さすが「パッチギ!」で全国デビューしただけのことはあります。
いまだに生粋の日本人って信じてもらえないことあるもんなー。

ていうか、やっぱ波岡さんってすごいよな、って思います。

だって、ジョンテってほとんど笑顔なんだけど、その笑顔が邪気がないっていうか、天使みたいな笑顔なんですよ。殺人鬼なのに。

あの笑顔だけで、思考回路が常人と違うっていうのがわかりますよね。

人間に対して、憎いとか、劣等感とか、そういう感情で殺しているわけじゃなくて、むしろお気に入りのコレクションの昆虫で遊んでいるような感じなんだろうなー。

どう矯正しても、自分と同じ人間だと他人のことを思えないだろうし、だからあの天使の笑顔なんだろうと。

彼の中では、ちっとも悪いことをしていないから。



で。

はたしてそこまでの役の説明が台本の中であるのか?っていうと。

たぶんないと思うんですよねー。

ト書きで「笑みを浮かべる」とかあっても、普通ならもっと影があったり、誰かに復讐心を持っているような笑顔を作ると思うんですよ。

うっ屈した過去があって復讐のために殺人鬼になった、でも、話は通じるわけだし。



でも、波岡さんが作ったイ・ジョンテは、何かが根本的に違う、私たちの感情で測れない「殺人鬼」という存在なんですよ。

「人殺し」じゃなくて「殺人鬼」。



だからこそ、視聴者としては、得体のしれないものを覗き込んでいるような魅力を感じますよね。

感覚で惹かれることを認めるか、理性で悪として嫌悪するか、それは観る者にゆだねられると思いますが。

なんかこう、衝動を揺さぶられるような感覚。

笑顔の演技で、これだけ魅力的な犯人を演じられるのって、やっぱりすごいと思います。
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