君はアイドル

綾子からあの日電話があって、どうやら凛くんと良い感じらしい。

「アイドルにマジになっちゃってもきっとバレたら別れさせられる運命かなぁ。
たまに会って優越感浸るだけの方がいいかなぁ。」


グズグズ言う綾子に説教してしまう。

「あんたね、分かってる?
もう26歳なの。
あの子達は男だし芸能人だしまだまだ恋愛楽しめるけど私たちリミット近いんだから。
遊ぶにも本気になるにもハイリスク!」

「…わかってんだけどさぁ。」


綾子の様子からきっと、もう本気なんだろうな。と悟る。


「それより、流星がライブに誘ってくれたんだって?
チケット手配してたって聞いたけど!
あんたらもいい感じなんじゃん?」


急にはしゃぎだす綾子に呆れる。


「今の話し聞いてた?
リスクあるって言ってんじゃん。
誘われたら行くでしょう普通!」


ふぅん?と含んだ声に切るよ!と切ってしまったけど、本当に私達どうなるんだろう…と考えてしまう。


本当だったら出会わなかったはずの人。
存在自体お互い知らないままだったはずの人。


別に付き合う気があるわけじゃないけど、また会う気がしてる。


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