春雷
2014年 春 出会い
今年も春が来た。
新入生たちが続々と他県から今年もやってくる。
四月から本格的に始まる授業のために、
私の属する大学教員たちも、やらなければならないことが山ほどあった。
今日は会議二つのあと、学部の新しい教員達との顔合わせだ。

「柴田先生ー！」
背後から
同学部の長野学部長に呼ばれた。

「あ、長野先生おはようございます、卒業式スピーチお疲れさまでした」

「いえいえ柴田先生もお疲れ様でした。娘さんの中学、卒業式被らなくてよかったですねえ」

本当にそうだった。
もし、被っていたら、夫から何を言われてたかわからない。「ところで、柴田先生、国際学部に新しくお勤めなさる方、知ってます？」

長野女史の話は止まらない。

「え？いや、知らないです。体調不良で退職された先生の後任で、新しい方が入るとは、聞いてましたが」

「私、さっき、みたんです！」

同じ学部の最年長であり学部長の長野先生

「めっちゃくちゃイケメンやったわぁー！」

興奮すると関西弁が出るのだ。





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