モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

行き過ぎた独占欲【宙side】



ほんっと、可愛すぎなんだけど。


屋上を出た瞬間、咄嗟に手で口を押さえた。


絶対顔、赤い気がする……



「和栗がいてくれて、ほんと助かった……」


天然なのか、鈍感なのか、男に対して全く危機感のない莉世。


ただでさえ人気があるし、告白されることだって結構多い。


それが嫌で、簡単に男とふたりきりになったらダメだということを教えたのは良かったものの、


「押し倒すとか、何やってんだよ俺は……」


1番危ないのは俺だろ……


ただ危機感を持って欲しかっただけなのに、気づいたら顔を近づけていた。


いつも凛として、恥ずかしそうな顔なんて滅多に見せない莉世。


その分、焦った表情とか、恥ずかしそうにする姿があまりに貴重すぎて。



──────いつものクールな表情を俺が崩してる。



そう思ったら、後頭部をガツンを殴られたみたいな衝撃が走って、

その全部を俺が乱れさせたいなんて、思ってしまった。


「重症、だろ……」

もっともっとその姿を見たい。


俺だけにその目を向けて、


俺の言動で揺さぶられて、もっと俺を意識して欲しい。


告白したのはつい昨日のことなのに、溢れんばかりの独占欲が心を占めていく。

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