私の好きな人
第2章



«俺を好きになって»

«彩月……好きだ»




何度も私の頭で繰り返される良平の言葉


次の日の朝

ベッドの上でゆっくりと目覚めた私は


まだドキドキが収まらずにいた



ピコンッ

枕元の携帯から何かが届いたと合図


普段はこんな朝から携帯が鳴ることなんてない


そっと画面を見ると





【おはよ。今日の朝迎えに行く】





とだけ届いた良平からのメッセージ


初めてなんですけど…

こんなメッセージが送られてくるなんて



ドキドキの心臓とは裏腹に
寝起きの頭は呆然となっている

半分開いた目をぱちぱちさせ
少々考えた


「……」


あぁ

やはり昨日のことは



夢じゃなく現実なのである。




我に返った私は
ベッドの上でフワフワな眠気も一瞬で吹き飛び


慌ただしい月曜日の朝を迎えた






良平がお迎えに来る!


……なんかもう


彼氏みたい??




制服に着替えた私は姿鏡の前で薄らニヤける





「彩月ー!ご飯できてるよー!」


1階からのお母さんの声に「はーい!」と、上機嫌で返す私



ダイニングに行くと不思議そうなお母さんの顔


「ん?なに」

「いや、今日機嫌いいね?何か良いことあった?」

「え?なんで?!」

「別に…ただ朝からテンション高いなぁ…と思って」

「…そう?とくにお変わりなく」

「ふーん…」


まだ不思議そうな様子のお母さんを私は適当に誤魔化す



さすが親ですな


子の小さな変化に敏感に反応するなんて





ただ誤魔化せてると思ってるのは私だけで

お母さんとお父さんは目を合わせて確信する



鼻歌を交えた朝ごはん中の私を

両親は愛らしく眺め


「行ってきまーす!」


ピョンピョン跳ねながら玄関を出ていった娘を

ただただ愛らしく見送る両親であった。






そう、逆に何も気付けない私は鈍感な生き物なんです。









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