一途な彼にとろとろに愛育されてます


「って、なんで!?」

「立花社長が、『俺は嫁さん連れて行くからお前も誰か連れてこい。主催も人数は多いほど喜ぶから』ってさ」



大規模なパーティなのだろう。

けど、社長のとなりには奥様がついて、檜山のとなりには私って……それって、まるで檜山の奥さん役みたいじゃない。

『誰か』と言われて檜山が私を選んでくれたことも嬉しくて口元が緩みそうになるのをこらえる。


「で、でもいいの?私パーティなんて出たことないし……」

「いいもなにも、誘いやすいのミネコくらいしかいないし。他の奴誘って変に誤解されても困る。あとお前、日曜休みだろ」



……って、それだけ。

自分が選ばれた理由は誘いやすいというだけ。あっさりと言われて、浮かれかけた気持ちも一気に冷静にさせられる。



確かに、檜山が社内の誰かを誘おうものなら『付き合ってるんじゃないか』とか誤解が生まれて大騒ぎになってしまうだろうし。

おまけに休みも被って、いろいろ都合がよかったのだけ。

いや、それでも他の人を誘われるよりはよっぽどマシだけど。


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