その悪魔、制御不能につき
◇軽くホラー入ってるわよ?



後輩の家でかわいい我が子と後輩の子どもが並んでいるのを見てその成長を感じる。前まではハイハイしてたのに今じゃすっかり一人でなんでもできちゃって…このハイスペックさが怖いわ。


数年前の自分が見たら今こういう状況になっていることに驚いているだろうか。…いや、多分驚くどころじゃないぐらいに目の前の現実を疑うだろう。でも同時に納得もしていそうね。



「りんちゃん、」


「どうしたの?あ、おねむかな」



ぐずり始めている小さな存在に少し焦ったように手を伸ばす後輩の姿はもう完全に母親って感じだ。


産む前は何だかんだ言ってたけど、それなりに幸せそうな姿を見るとこう…罪悪感が軽減されるわ。いや、私が悪いわけではないんだけど、一応身内ではあるわけだから。



「ついでに哉瑪(かなめ)もお昼寝してきたら?」


「うん。りんちゃん、いい?」


「もちろん。そっちの方がわたしも安心するし」



すぐ隣の部屋に行く2人の姿を見送ってすでに冷めた紅茶に口をつける。


哉瑪はともかくもう1人の方も寝つきはいいらしくすぐに戻ってきた。まぁ哉瑪は大人しすぎて不安になるレベルだったけど。



「羽華(うか)ったら哉瑪くんにすっかり懐いちゃって…おかげでわたしの方は楽させてもらってなんだかすみません」


「あら、お互い様よ。私も哉瑪見てもらってるようなものだし」



ただ、ほぼほぼのものに関心を持たない我が子があの子には興味を示して構っているのが将来的に不安ではあるけど。


同年代の子とあまり接していないからこその興味だと思いたいが社長とあの都築さんにも流れている血が哉瑪にも流れているかと思うと…不安しかないわ。


ただこれからの行動は私が先に教育すればいいから社長みたいなことにはならないと思う。というかさせない。母親としての私の精神の平和のために。



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