あの時からずっと、君は俺の好きな人。
2018年7月 よみがえる恐怖



新横浜の駅のホームは、家族連れや出張に向かうビジネスマンらしき人達で混雑していた。

そんな状況にも関わらず、修学旅行で新幹線を利用する私たちが、ホームに溢れんばかりに陣取ってしまい、少し他の人間に申し訳なさを覚える。

ーーほんの少しだけだけどね。

みんなは周りなんかに構ってはいないようだった。

今から始まる高校生活の一大イベントに胸を踊らせているのか、1分に一度くらいは「うるさいよー!」と先生の注意が飛んできている。


「いよいよだねー、私お菓子いっぱい持ってきちゃった! みんなで食べよー」


美結が満面の笑みを浮かべて私の眼前で言う。すると美結の隣に居た三上さんが目ざとく反応する。


「え、なんのお菓子? 見せて見せて」

「いいよー」

「あ、私これ好き! もらってもいい?」

「どうぞどうぞー」


二人がキャッキャする横で、坂下さんがその様子を微笑んで眺めていた。

ーーああ。本当に楽しみだなあ。今日は大阪城周りの観光だっけ。大阪城は初めて行くけど、どんなところなんだろう。

と、私が思っていると。
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