みちの駐車場まで送り届けると、真っ黒なレヴォーグ。

『あれ、お前のこれ?』
『うん、そですよ?』
『へぇ、俺、この車好きなんだよ!びっくりした』
『知りませんでした?私車好きなんですよ。昔は別なの乗ってましたけどね。これもなかなかです』
『いい趣味だ』
『...これから好きなだけ乗れるじゃないですか?』
『...そだな 笑』

ストレートに言われるとちょっと照れるが嬉しくなる。

『さて、すぐ戻りましょう』
『ん、そだな』

後ろをついてくるのを確認しながら、日中+休みも手伝ってすいすい帰れる。
BMWに乗り換え、また出かける。

『コウさん』
『んー?』
『とりあえず着替えとか持っていくけど、キッチンで使うものも持って行っていい?』
『あぁ、もちろん!足りないなら買い足すし』
『よかった』

完全に引っ越すまではもう少しかかるだろうが、幸い俺のマンションとみちのアパートは車で10分もしないことに気がついたので焦ることも無く。

ここです、と言われ、駐車場に停めると、デザイナーズマンションのアパートタイプで、同じ一等地に建っているのが納得。

『...散らかってますけど...入ります...?』
『入れて欲しいね、ぜひ』
『はぁ...どーぞ...。ほんとに酷いですけど...』

入った部屋はみちの香りが広がる。チョコレートカラーのカーテンに、白と焦げ茶の家具。所々にモノが散らばっているが、基本的に小綺麗で女の子の部屋というより、男性っぽさも感じる。

みちは、バリスタにコーヒーをセットし、着替えやら何やらをまとめる。
物珍しくて座っていられず、あちこち覗いてしまう。

『ちょ、座っててくださいよ、恥ずかしい...』
『なんで??綺麗じゃん』
『あんまり見ないでください。すぐ済ませますから』

コーヒーを置き、タバコと灰皿をテーブルに置き去りにしてまた服を取りに行ってしまう。

『コウさん、とりあえずこのスーツケース分くらいなら置けます?』
『あぁ、クローゼット空いてるから大丈夫だよ。ほら、俺の部屋の隣も空いてるからあそこ使えよ』
『わぁ、ありがとうございます!』

1人で暮らすには部屋数も広さもありすぎるマンションだったが、住んでてよかったと安心する。

『あと、ミキサーとフープロも持っていきたいの』
『わかった。バリスタも持ってこう』
『うん。玄関にとりあえず置いたので車開けてもらえますか?』
『あほ。運ぶからお前は中のことやってろ。玄関の運べばいいんだな?』
『クスクス 笑。じゃあ、お願いします』
『おう』

一通り生活できるものは積み終わり、不足分はいつでも取りに来れるので後回しに。念の為ガスの元栓もしめ、家電類も確認すると。

『お、PS4』
『ん?やります?』
『やる!』
『んじゃ持っていきましょ 笑』
『Switchもある!』
『クスクス...んじゃDSも持っていきましょうか 笑。ソフト何がいいんですか?笑』
『おおお、まじかぁぁぁ!』

目がキラキラした大きな子供のようだが、楽しそうなので選んでもらっている間にバスルームも確認する。

『あとは戸締...』

ニコニコと紙袋に大量のゲーム機を入れてご満悦なコウさんを見て笑ってしまう。

『好きなんですね 笑』
『そーなんだよ。買ってもやらないかもななんて思ってそのままにしてたら色々出ちゃってさ』
『なるほど、かぶらなくてよかったです 笑』
『んー 笑。みちの家に来てやるのも楽しそうだけど、一緒に住めないのは嫌だから持っていく』
『な、子供なんだから 笑』
『どーせ子供だよ、俺は 笑。よし、行くか』
『はーい』

パンパンになった車内の荷物をマンションに運び、とりあえず空いた部屋に入れてまた出る。

『大丈夫です?疲れてませんか?』
『ん、ぜーんぜん。みちは大丈夫?』
『私は平気ですよ?』
『んじゃー買い物行こうか』
『うん』

市内でも有数のショッピングモールへ向かう。
ここは休日のせいで、もう日が暮れるというのにごった返している。

『混んでますねぇ』
『さすが連休初日だな...。まぁ、ゆっくり見て、飯はくっていこう』
『そうですね』

自然と手を繋ぎ、目当ての建物に入る。

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