「ちょ、ちょっと待ってください、展開についていけないんですけど!」


十月も下旬に入り、沙帆は今日も変わらず、クリーンスタッフとして花梨と共に派遣先である関東医科大学附属病院へと訪れている。

何枚もある窓ガラスの艶出し作業を行いながら、沙帆は花梨に婚約をしたことをざっと報告した。

医師である両親からお見合いを持ってこられる話は、以前から花梨にも話していた。

今回もその流れでお見合いをし、初めて縁談を進める運びになったということ。

彼の用意していたマンションにすでに引越しは済んでいて、一緒に暮らし始めて数日が経ったということ。

そしてその相手が、あの怜士だということまで話したところで、花梨は淡々と進んでいた沙帆の話を中断させた。


「ごめん、一気に話しすぎだよね……」

「いえ! 沙帆先輩の話の流れはすごくわかりやすいです。そうではなくて、内容が衝撃的すぎて……」


花梨がそういうのも無理はない。

プールに落ち助けてもらい、派遣先になったこの病院で再会し、お見合いに行けば相手が怜士だったというのだ。


「それは、私も同じくだよ……」

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