外来診療は午前で終わり、午後にオペも入っていないため、十五時を回った頃に怜士は白衣を脱いだ。

二人揃って部屋を後にし、沙帆は控え目にスーツの怜士の背中に続く。

一階フロアを歩いていくと、廊下でケーシージャケットの白衣に身を包んだ看護師たちに出くわした。


「お疲れ様」


先に怜士が声を掛けると、四人の看護師たちは口々に「お疲れ様です!」と弾んだ声を上げる。

『キャー』とでも言いそうなそわそわとした様子ですれ違うと、そのうちの一人が沙帆を見てコソコソと残り三人に話しかけていた。

何気なく沙帆が背後を振り返ると、四人揃って沙帆たちへと振り返っている。

ギョッとして、沙帆は慌てて前を向いた。

(本当に受付から病院内に噂が広まってるのかも……)

さっき怜士が言っていたことを思い出し、沙帆は小さく息を吐き出した。

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