焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「今日、初めて出会ったようにまた一から俺と関係を築いてほしい。……俺、全力で滝本の心を融かしてみせるから」

甘い瞳を向けて放たれたセリフに、かぁっと身体中が熱くなる。

だってこんなセリフを言われて、ドキドキしない人の方がおかしい。――でも、な。
顔から火が出るほど恥ずかしいのに、心のどこかで嬉しいと思っている自分もいる。

恋愛するのはまだ怖い。でも私、ここで断って後悔しない? このままでもいいの?

自分自身に問いかければ問いかけるほど、答えの道しるべが見えてきた。

このままでいいわけない。いい加減、前に進まないと。

それに織田くんとなら、ずっと踏み出せずにいた一歩を踏み出せる気がするから。

迷いは吹っ切れ、私は彼からそっと花束を受け取った。

そして目を丸くさせて驚く彼に伝えた。「はい、よろしくお願いします」と。

ワッと歓声が沸く会場内でスポットライトに当たっている彼は、優しく微笑んだ。

「ありがとう。……俺、頑張るよ」と囁いて。
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