後輩営業は虎視眈々と先輩アシスタントを狙っている

デートをドタキャンして

営業アシスタントの私に舞い込んでくる資料整理・伝表処理・雑用などの仕事にはきりがない。

月初め、月末は、残業の嵐・・・。

「仕事なら仕方がないけど、所詮アシスタントだろ。うまく適当に切り上げろよ。」

約束のデートをドタキャンしたときに、広報部部長補佐の彼氏から言われた傷つく一言。

私の仕事なんて、仕事とは思ってないんだ。

確かに誰にも出来る仕事だけど、私は好きだ。

怒らせたと思い、その後すぐにフォローに彼氏のいるフロアーに向かった。

エレベーターを降りたら、こちらに向かって歩いてくる彼氏を見つけた。

でも、私は踵を返しエレベーターのわきにある非常口の扉の前に身を隠した。

柱一本向こうに、彼氏と今年入社した中で一番かわいいと評される、広報部の女の子が楽しげに話している。


「本当に私がご一緒してもいいのですかぁ?」


間延びした語尾がかわいいと思っているの?

かわいげがない私には到底まねはできない・・・。


「前々から約束していたのに、仕事が終わらないって。俺だって忙しいのに。広報より営業アシはいそがしいのかって!」


あ~やっぱり怒っているのね。




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