エピローグ

そして約束通りの一年後。

わたしは神永さんの本当の花嫁になるべくエスポワールの控え室で式が始まるのを待っていた。

姿見の前で立つ坂上さんが、わたしのベールを綺麗に整えてくれていた。

「はぁ、すごく綺麗。仕事柄年間何人もの花嫁さんを見ますけど、恵麻さんが一番綺麗です」

お世辞だとわかっていてもうれしい。

わたしは鏡越しに、坂上さんに笑顔で「ありがとう」とお礼を言った。

「まあ、社長が吟味を重ねて作った一点物のウエディングドレスだから当り前といえば当り前か」

そう、坂上さんの言う通り、このドレスはわたしがこだわったと言うよりも、神永さん――貴哉さんがこだわり抜いて作り上げたウエディングドレスだ。

デザインはもちろん、義妹がデザインしたもの。

プリンセスラインの愛らしいシルエットに、レースのオフショルダー。

背中には小さなくるみボタンが並んでいて、凝ったレース使いの高級感の中にかわいさがプラスされていて、かわいさとクラシカルな雰囲気を希望したわたしの好みにぴったりのものだ。

それでいて、使う生地やレースなどは貴哉さんがこだわり抜いたもの。

デザインに関しても妹さんがわたしたちの要望にあわせて心を込めて生み出してくれたものだ。素晴らしいに決まっている。

わたしは振り向いて、後ろにいる坂上さんの手をにぎった。彼女は驚いて目を見開いている。

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結婚  社長  ウエディング