翌日。

 何を着ていくか本気で悩んだ。私の持っている服は地味で、カジュアルなものばかりだ。女の子らしい服なんて持っていないし、小野寺くんの傍にいていいものか悩んでしまう。

 しかし買いに行く時間もないし、結局そのままいつも通りの格好で出かけることになった。

 約束の時間に、例の分譲マンションの前に立っていると、見慣れない高級外車が停車した。その左ハンドルの車から小野寺くんが顔を出す。

「乗って」

 ええっ? 小野寺くん、車の運転できるんだ……。

 免許の持っていない私からすると、すごく大人に感じられて、またもや別次元の人だなぁと実感する。
しかもこの高級外車。誰しもが知っている車で、私が乗っていいものか戸惑う。
さすが御曹司なだけあるな、と感心する。

「ごめん。本当はこんな車で来る予定じゃなかったんだけど……」

 彼曰く、外車ではなく普通のコンパクトカーに乗ろうと思っていたのだが、母親に乗っていかれてしまったらしく、仕方なくこれで来たのだとか。