12月の春、白い桜が降る。
夏は突然に
目が覚めた時、部屋はクーラーで冷やされていて、汗も一切かかずに、

初夏にも関わらず分厚い布団を被っていた。

僕は体を起こし、左手で目を擦りながら
空いている右手で枕元に置いてある携帯を手に取った。

画面には“18:34”と表示されている。


_どうも最近ついていない。

今から丁度二ヶ月ほど前、五月終わりに僕は命が無くなる寸前だった。

小型トラックと衝突したのだ。

一周間目を覚まさなかったものの、幸い脳や心臓などには一切影響がなく、
一命を取りとめた。

目を覚ましてからすぐは体中は痛むし、左脚も骨折していて歩くこともできず、
結局二ヶ月の入院となった。
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