12月の春、白い桜が降る。
事態はそれだけでは終わらなかった。

次の日、二時間目の体育で私はまた物凄い吐き気と、さらに左腕に激痛を伴った。

私の病気は脳癌だが、こんなふうに、体のどこかが痛くなる、なんて症状は言われたことがなかった。

結局、その吐き気と痛みに耐えきれず、体育は途中で抜け出し保健室で休んだ。

保健室のベッドの中でも、左腕の痛みは多少納まったものの、
吐き気は止まらず、結局何度も吐いた。

やはり最近、急激に病状が悪化してきている。

このままもしかして、普通には暮らせなくなってきてしまっているのではないだろうか。

そんな不安が、私を一気に呑み込んだ。
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