12月の春、白い桜が降る。
自分でも驚くくらい、それからも彼のことがずっと好きだった。

高校だって、彼に合わせて同じにした。

正直、私の学力より、ずっと下で、その学校でトップも取れるほどだったが、
今の私には、そんな事どうでも良かった。

でも、高校が違うくらいで、あの二人の時間が、終わるはずがなかった。

そんな事、とっくに分かっていたことなのだけど。

私には、彼女のように、桜のように笑うことは出来ない。

彼女のように、彼を太陽のように笑わすことは出来ない。

初めから、私に勝ち目なんてなかったのだ。
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