「流星群見るために出て来たはずなんだけど、見る気ないな、あいつらは」
「そーですよね。暗闇でハイテンションになってますし」

私たちの視線の先には、転げるように笑いながら大はしゃぎをする20人ほどの男子女子たち部員がいる。よほどのことがなければ顧問も目を瞑ってくれることはわかっていた。

「じゃあ千夏は俺と一緒に星見るか?」

どきんっと大きく心臓が揺れる。
それって、樹先輩と二人で・・・てことでいいのかな。

「み、見たいです。流れ星」
喉の奥から震えないように声を絞り出す。

「よし、じゃあちょっと移動するか」
そう言って樹先輩は暗い方に歩き出した。

「ハイ」
私も急いで樹先輩の背中を追って歩き出したけれど、この状況にかなりドキドキする。
樹先輩は星が見えるように明るい照明から離れようとしただけなんだろうけど、二人きりが初めてでその上、暗闇ーーー。

「この辺でいいか」

・・・当然だけど、人目に付かない場所に移動したわけじゃなかった。

星を見るためなんだから視界が大きくとれる場所、ってことで。

ええ、ええそうですよね。わかってましたよ。
ポーチにいた私たちは照明柱から離れたグラウンドを見下ろす芝生に並んで腰を下ろした。

京平先輩たちからもよく見えてるはず。
それどころかさっきよりあの集団に近づいているし。

ーーー何だかね。

ちょっとがっかりしていると、
「千夏」
と名前を呼ばれた。