触れられないけど、いいですか?
「何で?」

目を見開き、何度も瞬きをしながら翔君がそう尋ねてくる。
さすがの彼も、私の突然の発言にびっくりしてしまったのだろう。

そこまで驚かせるつもりはなかった。
だけど、自分の発言を撤回する気もない。



「私と結婚したら、翔君にも迷惑掛ける」

「迷惑なんかじゃないって言っただろ。なんだよ今更」

「……」

いつも通り優しい彼の声には、少しだけ焦りを含んでいるように聞こえる。

私が、軽い気持ちで言ってないってこと、本気だってことが気付いているからだろう。
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