実は大学を卒業するまで、私は目立たない地味な女子だった。

周りの子たちは高校デビューだったり、遅くとも大学で弾けたりしていたのに……完全に乗り遅れ。

それならと就職を機に思いきり背伸びをして、雑誌を見て洋服をそろえ、髪形も整えて、メガネからコンタクトにした。

これらはすべて雑誌の受け売り。
まあ、そうするきっかけとなった出来事はあるんだけど。



――あれは大学三年のとき。
密かに憧れていた同じゼミの男の子が、私よりずっと大人びた同級生の女の子と話しているのを聞いてしまった。


『ね、高遠さんにチラチラ見られてない? あなたのこと好きなんじゃない?』

『まさか。もしそうだとしてもあんな地味女、絶対に無理』


〝地味女〟という単語が頭の中をグルグル回る。

まったくその通りで言い返しようもない。

でも、ずっと憧れていた人にそれほど強く拒否されて傷つかないわけがない。

彼女になりたいなんていう贅沢は言ってないのに。
私だって無理だとわかってるのに……。

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