ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
中に入ると、オレンジ色のライトの光が、目を刺激した。
端にある黒や茶色の棚には、統一感もなくばらばらに入った書類があり、クローゼットの周りには、あたかもさっきまで誰かが着替えたかのように、乱雑に置かれている服があった。
本当に、正しく男が働いてるって感じのところだ。
その中でも、いい大人じゃない男が。
「ジュエリーのママじゃねぇか!久しぶりだな!!」
突如、壁にもたれかかってタバコを吸っていた男が、麗羅さんを見て、そう声を上げてきた。
パッと見20代半ばくらいの若い男だ。
焦げ茶色の肩まで伸びた髪に、二重のほんの少しだけ垂れ下がった優しそうな瞳をしたその男は、誰が見てもイケメンと言えるような雰囲気を醸していた。
「ええ。お久しぶりです、美桜さん」
麗羅さんは笑って、その男に言葉を返した。
「今日はどうしたんだ?」
「ちょっと美桜さんにお願いがあって……ここで、雇って欲しい子がいるの。――妖斗、挨拶して」
「はっ、はい!……次楽妖斗です、雑用でもホストでもでもやるので、よろしくお願いします」
フードを外し、俺は言った。