独占欲強めな同期の極甘な求愛

「どうしたんだよ。なんかあった?」
「……うーん、ちょっと色々」
「ふーん」

一から昨日のことを説明すると時間がかかりそうで、濁して言うと臣はどこかつまらなそうな顔をした。

……いや、つまらなそうというより、拗ねているといったほうがいいのかも。子供のころよく見た、おもちゃを取られた時のような、そんな表情。

「俺がコンタクトすすめたときは乗り気じゃなかったのにな」
「え?」
「いや、なんでもない。ただ頑固な美麗を変えたのは三井さんなのかなと思って」

え? 三井さん?一瞬その質問の意味がわからなかった。まぁだけど実際三井さんがしつこく追ってこなければあんなことにはならなかったわけで、私は深く気にせず、「うん、まぁ」と曖昧に頷いた。

そんな三井さんは、とっくに昼休みも終わったというのにいまだ戻ってきていない。江頭さんいわく、今朝寝不足だとぼやいていたとか。間違いなく私のせいだろう。昨夜家が真逆にも関わらず、三井さんは律儀に家まで送ってれたのだから。今日会ったらすぐにお礼を言いたかったけど、結局こんな時間になってもまだ言えずにいる。いったいどこでさぼっているんだか。

「で、あれから二人で何してたの?」

三井さんのデスクを見つめていると不意にそう問われ、思わず、えっ? と小さく飛びあかってしまった。

< 45 / 138 >

この作品をシェア

pagetop