絶対領域

傷だらけの領域







「……っ!」


ズキンッ。


「……ちゃん!」


ズキンッ。




誰かが、呼んでる。


必死に、泣きそうになって、呼んでるのが聞こえる。



答えなきゃ。

なのに、声を出そうとすると、頭の中で鈍い痛みが蠢き回る。



どうして、こんなに痛いんだろう。


どうして、こんなに苦しいんだろう。




「姉ちゃん!」



ズキリ、とまた脳内が悲鳴を上げた。


鼓膜の奥で、呼びかけが反すうする。



……姉、ちゃん?


私を、呼んでるの?


誰が?

いや、私はこの声を知っている。




この、声は――。




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