No border ~雨も月も…君との距離も~
9章 dirty pain
「 すげぇ~っ!翔平君っ!!
あの 国民的アイドルグループに提供した曲、CMになるんスねっ。」

タクが 興奮ぎみに 身をのり出す。

「 マジかぁ~! 翔平、スゲーーじゃん。
…………チューしたろかぁ~!(笑) 」

「 うわぁぁぁ~!やめろやぁ(笑)
アホぉーーーー!」

シンは、翔平の肩に腕を回して グッと鼻先を 近づける。

「 紗奈と……間接っ♡」 小声……弱。

シンの イタズラな流し目に、翔平は思わず 吹き出す。

「 お前……マジで……だるっ!(笑) 」

「 俺……してもいいっスよ。 シン君となら。」

「 ……………………。(固) 」(シン)

「 ………………言うたな……。」(翔平)

「 タク……ヤバっ! 引くぅーー(笑) 」(タケル)

タケルは やや引きつりぎみで 苦笑する。

「 でも……翔平君、やっぱスゲーッすね。
地方限定の結婚式場のCMとは 訳が違いますよ。
全国ネットですよ。
携帯のCMの曲って……
ヤバくないッスか~!」

「 あ~ぁ。……ったく、なんだよぉ。
翔平だけ BIGになっちまってっ!
お前……この前の ケンカで言ったセリフ、撤回しろよっ! マジ、うぜーよっ。(笑) 」

「 俺……なんか言ったっけ。」

「 “ 書いた詞が 売れたからって、調子にのるなっ”
って……」

シンは、翔平を真っ直ぐに 見据えた。

「 あれは…………。悪かったよ…。」

翔平は 少し気まずい表情を浮かべて BIG4のロビーの隅に置かれた灰皿で タバコを消した。

シンが 小さく笑うと 翔平も笑いながら、シンの肩を ど突いた。

「 しょーがねぇから…聞かなかったことにしてやるよっ!(笑) 」

「 うぜぇーーーよっ(笑) 」

「 でもさぁ。翔平の才能も もちろんなんだけど、洋介さんの 力も大きいんだよね。」

タケルは そう言うと 長椅子にトスンと座って 軽く肩を回したり…頭の上で腕を 伸ばしたりする。
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