卒業します

家出

どれくらい佇んでいたのか

制服の下の下着までぐっしょりと、ずぶ濡れになっていたのに………

気づくと

私の頭の上だけ雨が止んでいた。

頭を上げると…………

お父さんよりも少し若い、三十代半ばくらいの男性が

何も言わずに、傘をさしていてくれた。

こんな時の、人の温かさは罪だ。

見ず知らずの人の好意に

雨とは違う

温かみのある雫が、頬を伝っては落ちていく。

彼は…………慰めるわけでもなく

ただ一緒に寄り添い、傘をさし続けてくれた。
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