無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
結局、黒い笑顔に勝つことはできず、連絡先を交換した。
「はい、じゃあ何かあったら必ず俺に連絡することね。間違えても木咲くんに連絡したらダメだからねー?」
「夏向には連絡しないですよ……」
もうきっぱり切ることを決めたんだから。
夏向は離れたらわたしはダメになると言っていたけれど、そんなことないって証明してやりたい気持ちもある。
だからこれでいいんだ。
きっと、大丈夫……そう自分に言い聞かせた。
「ふーん、そう。んじゃ、今日は帰ろうか。特別に送って行ってあげるよ」
「大丈夫です、1人で帰れますから」
「ダメだよ。冬花ちゃんを好む物好きな不審者いるかもしれないし」
「物好きって……」
「まあ、俺もその物好きのうちの1人だけど」
結局、家まで佑都先輩に送ってもらった。