ほわいとちょこれーと!─幼馴染みと恋するホワイトデー
3月14日
それから、千早と私は特に話すこともなかった。
話すこともないというか、むしろ、朝なんかにうっかり千早と至近距離で対面してしまって千早から「瑚子、おはよー」なんて言われそうになっても気付かないふりでスルーしたりして、千早と話すことを極力避けていた。
そんな風に過ごしているうちに3月になった。
その間特に千早とミサトの関係が進展している様子もなかったのは救いだった。
強いて言えば私の想いなんて知るわけもないミサトが私に「瑚子、千早くんと幼馴染みでしょ?千早くんのこといろいろ教えて!」と言ってくることが負担なくらいで。
期末試験が終わると春休みが間近になった。
春休みまでのイベントは卒業式と修了式、そしてその前に…
ホワイトデー─
(私には関係ないけど…)
関係ないけど…
この日千早は何かしらの答えを出すんだろう。
面白いことが大好きでみんなに優しくて、友達が多い千早のことだ。
きっとミサトへの返事も笑えない冷たい返事なんてできないと思う。
そうしたら千早と私の関係は、何かが崩れてしまうんだろう。
いや、私が千早を好きだと思った頃から既に傾き始めてたのかもしれない。でもそれがとうとう今度は決定的に壊れてしまう。
(千早、好きだよ…好きだよ!)
届くことのない想いが胸の中を渦巻く。
千早を想うと苦しくて胸が痛くなる。
なのにどうしてこんなに千早でいっぱいになるんだろう─
千早は今、何を思うんだろう。
千早の気持ちが知りたい。
好きな人いるの?
ミサトになんて返事するの?
私のことどう思ってるの?
ねぇ、千早?
もし千早の中に誰も想う人がいなかったら、その時は、その時は私、千早の一番近くにいる女の子なんだって、自負できる気がする。
それでも、きっと千早にとっては今までも、それから、これからも私はただの幼馴染みでしかなくて、恋愛対象にはならないんだろう。
でも千早の気持ちが何も分からない今は、それさえも憶測に過ぎなくて。
(千早に全部全部聞けたら良いのに…)
ホワイトデーの前の晩、私は泣き濡れたまま眠りについた。
* * *
話すこともないというか、むしろ、朝なんかにうっかり千早と至近距離で対面してしまって千早から「瑚子、おはよー」なんて言われそうになっても気付かないふりでスルーしたりして、千早と話すことを極力避けていた。
そんな風に過ごしているうちに3月になった。
その間特に千早とミサトの関係が進展している様子もなかったのは救いだった。
強いて言えば私の想いなんて知るわけもないミサトが私に「瑚子、千早くんと幼馴染みでしょ?千早くんのこといろいろ教えて!」と言ってくることが負担なくらいで。
期末試験が終わると春休みが間近になった。
春休みまでのイベントは卒業式と修了式、そしてその前に…
ホワイトデー─
(私には関係ないけど…)
関係ないけど…
この日千早は何かしらの答えを出すんだろう。
面白いことが大好きでみんなに優しくて、友達が多い千早のことだ。
きっとミサトへの返事も笑えない冷たい返事なんてできないと思う。
そうしたら千早と私の関係は、何かが崩れてしまうんだろう。
いや、私が千早を好きだと思った頃から既に傾き始めてたのかもしれない。でもそれがとうとう今度は決定的に壊れてしまう。
(千早、好きだよ…好きだよ!)
届くことのない想いが胸の中を渦巻く。
千早を想うと苦しくて胸が痛くなる。
なのにどうしてこんなに千早でいっぱいになるんだろう─
千早は今、何を思うんだろう。
千早の気持ちが知りたい。
好きな人いるの?
ミサトになんて返事するの?
私のことどう思ってるの?
ねぇ、千早?
もし千早の中に誰も想う人がいなかったら、その時は、その時は私、千早の一番近くにいる女の子なんだって、自負できる気がする。
それでも、きっと千早にとっては今までも、それから、これからも私はただの幼馴染みでしかなくて、恋愛対象にはならないんだろう。
でも千早の気持ちが何も分からない今は、それさえも憶測に過ぎなくて。
(千早に全部全部聞けたら良いのに…)
ホワイトデーの前の晩、私は泣き濡れたまま眠りについた。
* * *