一目惚れの彼女は人の妻
人妻の暴走〜俊輔Side〜
 えっ?

 まさかの、宏美さんからのお誘いだった。嬉しい。嬉し過ぎる。しかし……

 家で夫と幼い子どもが宏美さんの帰りを待っているはずで、俺と飲みに行ったりしていいのかどうか。いや、いいわけない。

 という事で、”旦那さんやお子さんが、待っているのではありませんか?”と言おうと思った。思ったのだが、言わない事にした。

 なぜなら、宏美さんは立派な大人なわけで、ちなみに俺より何歳か上だと思うが、大人の宏美さんの判断に、若造の俺なんかが意見すべきじゃないと思うんだ。まさか、夫や子どもの事を忘れているとは思えないし。いや、実はそうなのかも。

「嫌ならいいけど」

「嫌じゃないです。飲みましょう! 行きましょう!」

「ひゃっ」

 俺は宏美さんの気が変わらぬ内、もしくは家族の存在を思い出す前に、そんなわけはないが、彼女の腕を持ち、歩き始めた。そのはずみで、また彼女の胸に触ってしまったのだけれども。
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