ファイヤークイズ
「あんたには関係ない」


震える声で理恵が言った。


目を大きく見開き、肩で呼吸をしながら光男を睨み付けている。


「あ、違った。両方オッケーなんだっけ？」


怒っている理恵を見て面白がり、更に光男が言う。


この場の空気がどんどん悪くなっていくのが目に見えるようだった。


炎の赤色に包まれた部屋から、光男とスピーカーの相手の悪意が混じった黒色に変化していく。


「あんたにあたしの何がわかるっていうの！」


理恵が怒鳴る。


怒鳴れば怒鳴るほど酸素が薄くなり、最後には呼吸ができなくなるんじゃないかと感じられた。


あたしはジッと巨大換気扇へと視線を向ける。


次々と排気されていく煙。


あの換気扇から煙と一緒に脱出することができればどれだけいいだろう。


「本当のところどうなんだよ？　男がいいのか、女がいいのか、それとも――」


「もうやめて！！」


光男にこれ以上言わせるわけにはいかず、あたしは叫んだ。


「光男、次はあんたの番だからね」


あたしは光男を睨み付けてそう言ったのだった。
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