俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

 




「結婚して一週間たって、新婚生活はどう?」

仕事を終えマンションに帰る車の中で、ハンドルを握る穂積がたずねてきた。

「別に」

そう言って、窓の外をながめる。

「別にって言うわりには、最近ずっとご機嫌そうだけどね」
「どこがだ」
「あれ、無自覚? ひとりで暮らしていたときは用事がない日は遅くまで会社に残って仕事をしていたし、朝もものすごい不機嫌そうな顔で家から出て来てたのに」
「それは、鈴花が頼んでもいないのに食事を作って待っているから……」
「だけどそれをありがたく食べるんだろ?」
「ただ、捨てるのはもったいないからだ」
「かわいい愛妻の手料理を食べていたら機嫌よくもなるよね。うらやましいなぁ」

穂積は俺の言い分を聞きもせず、勝手に納得して笑う。
別に鈴花の手料理を食べているから機嫌がいいわけじゃない。


 


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