前世は俺と愛し合ってました

運命の人




〜 千鶴 視点 〜






「あは、あははははははッ!!」


「晴美様。笑いすぎですよ。いつまで笑っているんですか…」


「だって、あれ!あれは笑うだろ?あははははっ!!
あーお腹痛い!」


「…………」





晴美様は、家に戻って来られるとすぐ玄関でお腹を抱えてずっと笑っていた






「あの男が今世に現れるだなんて……
このままでは、彼女は奪われてしまいますよ!」


「えー?大丈夫なんじゃない?
早織ってば、サオだったときの記憶全く覚えてないんだし。
覚えてたら、リオにあんな行動取らないだろ?
プッ…あははっ!ヤバイ、また思い出しちゃった!
あははっ!」



「……か、彼女が思い出したらどうするんですか!
また、あなたは『運命の人』と結ばれなくなるんですよ!?」






前みたいな失敗はしない
今度こそ、この方には『運命の人』と結ばれてもらわなければ……!!







「………『運命の人』…ね…」


「晴美様……?」


「リオは昔と変わってないね…
乱暴な口調なのに、優しい……
はあ……罪深いよね…
今度は、前よりイケメンになってるしさ〜
リオの中身も知ったら、女なんてすぐに惚れるよ



【前の自分】がそうだったんだから……」






「……は、晴美様…。ま、まさか…まだあの男のこと…を……」



「え?ああ。違う違う。
前の自分はって言っただろ?

前の自分は、女で
リオは『運命の人』だったんだからリオに夢中だったな〜って話をしてただけ。

前の自分は、凄かったよね〜
リオを手に入れるためなら、何だってしたよね〜

え?もう違うよ?いや、さすがに男になってリオを好きにはならないよ
確かに惹かれる存在だけど、それは憧れ?のようなものになってるし

もう違う。
今は、早織だよ

俺……晴美の『運命の人』は、早織だ
早織を愛してるよ」




「…………晴美様……」




「……でも、俺の人生って笑えるよね〜?
前はリオが好きで、その恋敵がサオだったのに
今度は早織が好きで恋敵がリオなんだから……

なんなの?俺の運命の人って…

ははっ……笑える。

まあ、でも今度は結ばれてみせるよ
前は悔しい気持ちでいっぱいだったんだから
今度は、リオに前の自分の悔しい気持ちを味わわせてやる。」




「………はい。今度こそ…
『運命の人』と結ばれましょう…」







誰にも邪魔はさせない
晴美様と早織は結ばれる運命なのだから……



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