午後三時。
静が途中のレジ点検を行っている。

レジの中の金は増えたり減ったりするので、それの確認とレジスター自体のメンテナンスだ。


「ありがとうございました」


隣のレジ台で弥生がレジ作業を行っている。
バーコード読み取りから金の受け渡し、商品の袋詰めの流れもだいぶスムーズになった。

客も分からない事は弥生を頼り、話しかけてくる。

商品の場所であったり使い方であったり。
天気など雑談してくる客にも、弥生は気持ちよく応対している。

日本語のわからない外国人の客には筆談で応じたりして、弥生なりに努力して取り組んでいた。


「弥生さん、接客業向いてますね」


静がレジの中を開きエアダスターを吹きかけている。


「ありがとうございます。でも、間違えないようにすることで精一杯で」


客の途切れたレジでそう答えた矢先、弥生はミスをしてしまった。

釣り銭を渡し忘れてしまったのだ。

金額は五千円。

ポイントカードを所有している客で個人情報を店側で保有しているので、連絡をすると後日、取りに来るとの返答だった。


「ごめんなさい!」


事務所で報告をした弥生は津田に平謝りだ。


「金額が大きいから顛末書、書いてもらうようになるな」


パソコンの前の津田が腕組みする。


「顛末書の書き方、わかりますか?」
「いいえ」


弥生が答えると、津田がデスクから見本プリントと未記入の顛末書を取り出し差し出す。



「店の信頼に関わる。気をつけて仕事するように」


津田はそれ以上は何も云わなかったが、明らかに機嫌が悪い。
ガックリと落ち込む弥生は頭を下げ事務所を後にする。


「津田さん、店の責任感強いですからね」
「あたしも売り場作りでケンカになることも、ありますから」



後台と静が、そっと教えてくれた。



「私語は慎めと、云わなかったか?」


事務所から津田の低い声が聴こえる。
三人は素早く解散し、それぞれの持ち場に戻って行った。