異世界で、なんちゃって王宮ナースになりました。~王子がピンチで結婚式はお預けです!?~

「お酌くらいなら、付き合ってあげます」

「発散と言ったら、飲み比べだろうが。付き合え」

「それは……お断りします」

 無茶言わないでほしい。お酒は日本で看護師として働いていたとき、同僚の飲み会に酒豪が多かったので強いほうではある。
 だが、エドモンド軍事司令官は樽に入ったお酒を数分で飲み切るのだとミグナフタ兵からのタレこみで聞いているので付き合いきれない。
 肝臓を守るために先手を打っておくと、エドモンド軍事司令官はいかにも不満だと言いたげな顔をした。

「んだよ、男らしくねぇな」

「何度も重々申し上げていますけど、私は女です」

 何度繰り返したかわからない問答のかけあいで調子を取り戻した私たちは城に戻ってアージェとダガロフさんを誘うと、仕事終わりのシルヴィ先生の部屋で飲み明かした。
 その二日後、やるべきことを終えた私はアージェとダガロフさんと一緒にエヴィテオールへ帰還したのだった。
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