悠莉と大地が通っていた高校は、茨城県内でも有名なミッションスクールだった。

高校二年になると、一年の期末試験の成績上位20名が、アメリカのボストンにある姉妹校の交換留学生に選ばれる。

二人は共に交換留学生に選ばれ、4月にボストンの地を踏んだ。

「立花七海って覚えてるか?」

覚えているも何も、大地の元カノである。

「高校入ってすぐに付き合ってた子じゃなかったっけ?あの頃はお前全然浮気してなかったな」

今の放蕩ぶりからは考えられないほど、高校時代の大地は真面目であった。

「立花も交換留学生に選ばれてたよな。ってあれ……そういえば、いつ別れたんだっけ?」

日本に帰国するころには、二人は別れていた。

大地のほうから彼女を振ったという噂が流れていたが、その後からである。

大地の女遊びが激しくなったのは。


「俺さ、あいつに性病移されたんだよ」


淡々と出た言葉に悠莉は理解が追いつかず、何度も頭の中で反芻した。

「性病!?なんで……」

「他の男とヤってた。それも生で」

留学中は姉妹校のOB、OGの家に滞在する決まりである。

立花七海もホストファミリーの世話になっていたが、そこの一人息子と大地を天秤にかけていたのだ。

「する時は絶対ゴムをつけていたし、終わったら必ずシャワーを浴びてる。危険日にはしない。何かあっても責任を取れない年だったから、俺は徹底的に避妊していた」

「その年でそこまで気を遣えたのはすごいな」

「自分でもそう思う。ある日、ホストファミリーが留守にしている時に、立花が遊びにきた。その日も抱こうとしたんだけど、ゴムがなかったから俺は断念しようとした。そしたら……いきなり生でしてきたんだ」

いつの間にか上達していた腰使いに意識が持っていかれて、中で出さないようにするだけでいっぱいいっぱいだった。

そういう大地の声には、悔しさが滲んでいた。

「安全日だから大丈夫なんて言ってたけど、俺は気が気じゃなかった。立花とした翌日、あそこが異様に痒くて、だんだん痛くなってきて、我慢出来なくなった俺は病院に駆け込んだ」

その結果、性病と診断されたのだ。

「移された可能性があるとも言われてさ。最近した相手といえば立花しかいなかったから、俺は立花の素行について調べた」