只今、愛の診察中につき。

ひとつに



ーー先生の家で暮らし始めて、2ヶ月が経とうとしていた。

季節は夏真っ盛り。

寒さより暑さに弱いわたしにとっては酷な時季だ。

「うーーあーーー」

冷房を結構ガンガンに利かせて貰っているのに
それでも暑くて扇風機の前から離れられない。

そんなわたしの様子を見て酷く驚いているのは、他でもない、

「如何にも『冷え症』って感じの響が、こんなに暑がりだなんて意外過ぎる…」

「なんか言った?要(かなめ)さん」

要さんーー先生だ。

この2ヶ月でわたし達の関係は変化していた。

先ずこれは先生からの要望で
敬語と『先生』と呼ぶのはやめて欲しい。と。

だから、『要さん』。

敬語もなかなか抜けなくて苦労したけど
最近になってようやく対等な話し方が出来るようになった。

あと、わたしが要さんの家に住んでいるのは
『同居』ではなく、『同棲』だと。

何が違うのかわたしにはよく分からないのだけど、『同棲』の方がカップルっぽいからだそうだ。






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