わたしの願い

龍希side





転校してきた初日、俺はまわりからすごく話しかけてもらえておかげですぐ友達ができた。


そんなとき一人でずっといる子をみつけた。

藍沢さん。

常に教科書を開いていて、勉強している姿が印象的だった。


数学の時間、応用問題で先生にさされた藍沢さんはなんのためらいもなくすらすらと黒板に答えを書いていった。

それをみたとき単純にすげーって思った。


自分でいうものあれだけど、俺もわりと勉強はしてきたほうで。

でもそれでも難しくて解けなかったのに。


黒板に答えをかいて正面を向いた時、目があったのに気づいて俺は笑った。

別になんてことはない。

ただ目があったのにそらすのも変かなと思っただけで。


でもそのとき一瞬顔が赤くなったのがわかって、そこからなぜか藍沢さんのことが頭から離れなくなっていた。

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