秘密にしないスキャンダル
困ったときは
「だから、このメロディにその歌詞は合わないって」

「だけど今までの歌詞からきてのこの言葉はどうしても必要だよ。
これは譲れない」

頑固者。そっちこそ。と小さな会議室で陽人と睨み合い火花を散らす。
新曲を作るときはいつもこうして二人の意見が合わず、けれどどちらも折れずに時間ばかりが過ぎていくことがよくあった。
そんな様子を見て堀原は溜め息をつくと、似た者同士だな。と呟いた。

「いつもは意見が合わなかったらどうしてるんだ?」

「「プロデューサーに意見を求めてます」」

「プロデューサーな……」

二人の言葉に堀原はどこか遠い目をしていた。
堀原が陽人をどことなく苦手としているのは、陽人が我らがプロデューサーたる人物の性格によく似ているかららしい。

「ねえ、堀原さん。
折角だし気晴らしがてらプロデューサーの所に行かない?」

「あ、それいいかも!
このままじゃ進まないし、お腹も空いてきたからランチがてら外に行こうよ」

よし、そうしよう!と堀原の意見を聞かずに二人で机を片付けてウキウキと出掛ける準備をしていたら、後ろで堀原の盛大な溜め息が聞こえた。
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