虹色シンデレラ
翌日、家族みんなが休みなのは分かっていても、私は部屋から出なかった。
時々食事に声が掛かったけれど、「いらない」と断り部屋に置いていたお菓子をつまんだ。

父さんも母さんも無理には聞いてこない。
そのうち私が何か言い出すと思っているのかもしれない。
一方私は、口実を考えていた。
何とか穏便に縁談を断る方法を探していた。

とてもじゃないけれど、あの人と結婚なんて考えられない。
今まで生きてきて、あんな性格の悪い人と初めて会った。
そのくせイケメンなのが余計に腹が立つ。

「あーあ、もうっ」
叫んで起き上がった。

そう言えば、今日はバイトの日。
こんな日は家にいるよりバイトでもしていた方が気がま放れる。
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