彼女の発言に心がぱあっと明るくなる。
「本当ですか? 秘書室にいたら直接ご指導頂けますの?」
赤石さんの元に駆け寄って少し興奮気味に確認すれば、彼女は私の勢いに気圧されたのか、少し引き気味に頷いた。
「え? ……ええ」
「朝は副社長は副社長室におりますし、午前中は赤石さんの元で是非とも学ばせてくださいませ」
ギュッと彼女の手を掴んでお願いする。
氷堂に勝手に秘書に指名され、不安だった。
無能な秘書なんて私のプライドが許さない。それに、氷堂も完璧な秘書を求めるだろう。
でも、どうやって有能な秘書を目指せばいいの……と、入社したばかりで右も左もわからず途方に暮れていた。
赤石さんはお局さまなんかじゃない。
「救いの神ですわ」
じっと彼女を見つめてとびきりの笑顔で微笑んだ。